──市川は最後に大きな決断を迫られます。堀田さんがこれまでにした大きな決断は?
16歳のときに一人で上京して、芸能活動を始めたことはとても大きかったと思います。アミューズのオーディションでWOWOWドラマ賞をいただいて、高校2年生で地元の滋賀県から東京の高校に転校しました。そのとき両親はダメと言わずに快く送り出してくれたんですが、あとから聞いたら、まさか本当に一人で行くとは思ってなかったって言ってました(笑)。確かにいま考えると、とっても大きな決断を10代でしてたんだなあ、と思いますね。
──なぜ俳優に?
もともとはお洋服が好きで、ファッションモデルになりたいっていうところから芸能界に少し興味を持ち始めていました。それから、6歳から高校1年生まで10年間続けていたクラシックバレエも影響しています。祖母の宝塚好きがきっかけで宝塚に憧れがあって、入るにはダンスを習わなきゃいけないのでクラシックバレエを始めたんです。幼稚園生のころに劇場で見たりしていて、お衣装も華やかだし、とってもキラキラした世界で、「こんなふうに踊ってみたいなあ」って思っていました。
バレエって物語がある作品も演じたりするので、「表現する」っていう部分で、役者業ともすごく似ていて。ただ、一方は身体で、もう片方は言葉で演じるお仕事で、「そこの違いってどんなものがあるんだろう」って、中学生くらいのときに興味を持って、お芝居に挑戦してみたいと思ったんです。昔から映像作品とかドラマを見ながら、「自分だったらこういうふうにセリフを言ってみたいな」って勝手に真似したりしていました。私自身、「堀田真由」でいるときは自信がないことが多く、前に前に、っていうのがあんまり得意ではないんですけど、誰か違う人になりきると強い自分がいたり、普段とは違う顔を出せたり、“何者か”になれたりするところに、私自身も救われたというか。そう気づいたときに、もしかしたら役者っていうのが自分にとって今後につながる大きな職業になるのかなと思いました。