大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、北条義時の正室・比奈を演じ、幅広い年代の注目を集めている。16歳で単身上京、朝ドラ「わろてんか」などで話題に。主演作「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」は、異界の化け物と対峙するホラー映画。ドラマ版は自らの“原点”と語るWOWOWで放送された。俳優として8年。はつらつとした笑顔の奥底に、揺るぎない意志の強さが見えた。
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──「オカルトの森へようこそ」で、助監督の市川役を演じます。彼女との共通点と相違点は?
市川とは性格的に近しいところのほうが少ないんです。彼女は、劇中で結構辛辣(しんらつ)なことを監督(本作の監督、白石晃士が演じている)に言ったりして、思ったことをすぐ言うタイプなんですけど、私は何かを話すにしても一回自分の中で考えるタイプ。彼女の性格は、大変な部分もきっとあるだろうけど、すごく素敵だなとも思います。
共通点は、仕事や日常生活のなかで選ぶべきときには、誰かの意見を聞くよりも、自分自身がこうしたいからこのほうにいく、とか最後は自分で判断をするところ。市川も判断を委ねられたときに助監督として状況を選んでいっています。なので、そこは似ているのかなと思います。
──本作は、監督役が回すカメラの視点で物語が展開します。
カメラ目線でセリフを言うっていうのは普段と違う点でした。実際に撮影しているとき、カメラマンさんや照明さんはいてくださるんですけど、他のスタッフさんは映りこまないように別の場所にはけてくださったりして、本当にドキュメンタリーを撮っているような感じで。新鮮で楽しかったなあ、という印象です。
──本作の撮影で難しかったことは?
フェイク・ドキュメンタリーなので、実際に今そこで起こっていることを、“生”っぽく、ナチュラルに伝えようと思って撮影に臨んでいました。ですが、市川ってすごく強い女性で、エネルギーがあるので、どうしても芝居が大きくなってしまうところがあって。難しいなと思いつつ、監督さんと相談して程よいあんばいを見つけながら演じていました。