医療機関での診断でPCR検査が基準となっていたのはこのためだ。田中院長のクリニックも基本的にはPCR検査のみを実施。第7波での感染拡大によりPCR検査希望者が激増した7月以降は、やむを得ず抗原検査も併用しているが、「抗原検査で陽性ならそのまま陽性判定」「抗原検査で陰性ならPCR検査」という方式を取っている。
抗原検査キットを使って自分で検査する場合、検体が適正に採取できておらず、ウイルスを検出できないこともある。
「抗原検査キットで陰性となった方を、当院でスタッフが同じく抗原検査を行うと、陽性判定が出るケースもありました」(同)
Q:今は軽症ですが、この先、急変しないか心配です。希望すれば療養施設に入れますか?
A:申し込み必要、条件あり
自宅療養ではなく宿泊療養施設を希望する場合、専用窓口への申し込みが必要だ。申し込んでも、症状などから入所できない場合もある。
「宿泊療養施設は、重症化リスクの高い基礎疾患がある人、同居家族に重症化リスクが高い方がいる人など、いくつかの条件を満たす場合に対象となります」(米山院長)
Q:どういう状態になったら救急車を呼ぶべき?
A:症状悪化が目安、医師に相談
「酸素飽和度の低下、発熱、咳、痰、倦怠感など症状が悪化した時です。オミクロン株では喉の痛みがひどくなるケースがよくありますが、痛すぎて水も飲めない時、耐え難いほど痛みがひどくなった時も、救急車を呼んでください」(米山院長)
迷ったら、かかりつけ医や保健所、フォローアップセンターに連絡しよう。救急車の要請が必要な目安の症状は各都道府県がホームページで挙げている。
Q:喉の痛みがつらいです。
A:解熱剤や抗炎症薬を備える
解熱鎮痛剤や抗炎症薬を備えておこう。手に入りやすい市販薬では、「カロナール」や「トランサミン」がある。用量・用法を守って服用する。
水や唾を飲み込むのもつらいときは、「脱水症の時に使う経口補水液のゼリータイプは喉ごしがよく、喉が痛くても飲みやすい」。(池袋大谷クリニック・大谷義夫院長)
(ライター・羽根田真智)
※AERA 2022年9月5日号より抜粋