いつまでも「ひとりっ子」の世話を焼きがちな母親

 このとき、仕事や地域活動などで忙しくしている母親は、子どもをかまいたくても現実的に時間があまり取れません。専業主婦で家にいられる時間が長い母親でも、子どもが数人いれば、一人にかけられるパワーは必然的に減ります。

 ところが、ひとりっ子に充分な時間をかけられる母親は、なんでもかんでもと世話を焼きたくなります。

 子どもも、そうされるのが当たり前だと思って、ますます母親頼みになっていきます。いわゆる「共依存」状態に陥ってしまうのです。

 こういうパターンは、子どもの将来を考えたときに、ちょっと心配です。

「ひとりっ子の男の子」は、母親との距離感が成長のカギ

 家庭に兄や姉がいないひとりっ子は、「親との世界」がすべてです。母親べったりの男の子は、母親との世界がすべてです。

 そのため、母親が世話を焼き過ぎたひとりっ子の男の子は、母親の言うことがいつでも正しいと考えるようになります。

  母親は母親で、自分の子どもしか見ていないと、価値観や考え方は狭くなりがちです。

 こうして、母親が提示してあげる世界が狭ければ、子どもの思考や物事の見方などが非常に偏ったものになっていきます。親としてそんなつもりが一切なくても、無意識のうちに子どもを洗脳しているとも言えます。

 一方で、男の子は父親とは共依存にはなりにくいのです。父親が息子に勝手な夢を託してしまうことはありますが、依存にまでは発展しにくいでしょう。

 こうしたことから、「ひとりっ子の男の子」を伸ばすには、母親との距離感が重要になってきます。あるときまでは、スケジュール管理も含めてフォローしながら、時期がきたら、それを自分でできるようにさせましょう。

 そのタイミングとしては、10歳を目安に考えるといいのではないかと思います。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)

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