離別や死別があり一人になって、パートナーを探すのも恋愛するのも個人の自由だ。だが、親の恋愛について、子の心配は尽きない。今回、編集部がおこなったアンケートに寄せられた「『親の』恋愛相談」に、その酸いも甘いも知る井出さん母娘からアドバイスをもらった。

「母は、父が70歳だった10年前に他界。まもなくして父から、古くから家に住み込んでいた家政婦さんと恋に落ちて、入籍したいと宣言された。姉は亡くなった母への思いが強く『母の存命中から何かあったのではないか。財産は一円も渡したくない』と入籍を拒絶。その後3年経った今も2人は入籍せずに、幸せに暮らしている。自分は最後まで父の面倒を見てくれるお礼も込めて、入籍してほしいと思うようになったのだが……」(50代、独身会社員)

「私の漫画では、自分の信念を貫いてやりたいことをやると、本人も周囲も、ハッピーエンドになることがほとんど。お姉様の気持ちもわかりますが、ここは強行突破で結婚してもいいのでは?」

 と井出さんが言えば、長女は、

「親も一人の人間。いくつになってもトキメキを感じられる人生ってすてき。今度は子どもが老いていく親を見守る立場になればいいと思います」

 ちなみに、井出さんの3年半に及ぶニセマークとの日々は、8月下旬に発売予定の『毒の恋 7500万円を奪われた「実録・国際ロマンス詐欺」』という作品で詳しく紹介されるそうだ。(ライター・福光恵)

AERA 2022年8月15-22日合併号