
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
音楽テープのA面からB面への転換を状況変化に使う演出技術が印象的なプーンピリヤ監督。ウォン・カーウァイ監督の「恋する惑星」を思い出してただ懐かしい。両監督は洗練された映像感覚、音楽の好みが似ている。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
カセットテープの音楽や計算されたカメラワーク、カクテル、ネオンなど、スタイリッシュでノスタルジックなロードムービー。後半の急展開によって、目にする風景の印象すらがらりと変わるような構成・演出が実に鮮やか。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
自分の人生の中では一瞬の付き合いだったかもしれないけど、その人の言葉や気持ちはなんらかの形で生き残っている。縁や出逢いは、やはり運命であって全てに意味がある。ユーモアがちりばめられた深くて優しい一本です。
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★
スタイリッシュだが、のんびりという作風は、この監督の前作と同様。徐々にわかってくる話のひねり方やカセットテープのノスタルジックな使い方が心地よい。センチメンタルすぎると思うかどうかが分かれ目だろう。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2022年8月19・26日合併号