村井重俊
『峠』に励まされた福島県の男性、46歳。
「人間は思ったことと行動は必ずしも一致しない。（略）それでも自分が信じる道を歩んだ河井継之助の姿に心を揺さぶられた」
上村さんは分析する。
「年代別、男女別でみますと、10代から30代までのトップで、女性1位が『燃えよ剣』。40代以降のトップで、男性1位は『坂の上の雲』になります。今回はインターネットで募集したため、かなり若い人が参加してくれました。『司馬遼太郎記念館友の会』だと60歳以上の方が圧倒的に多いですが、今回は30代までが全体の16％、40代が17％、50代がいちばん多くて26.8％と、かなり貴重な声を聴くことができました」
財団は司馬作品のトータルの発行部数も発表している。書籍、電子書籍を合わせたもので、初期の記録がないものもある。あくまで概算だが1位が『竜馬がゆく』で2496万部、2位が『坂の上の雲』で1987万部、3位が『街道をゆく』で1224万部。累計発行部数はなんと2億673万部になるという。
※週刊朝日 2023年1月27日号
鴻上尚史
延江浩
中西正男
