司馬遼太郎記念財団が昨年秋にインターネットで実施した「好きな司馬作品」アンケートの結果が発表された。
1位が『坂の上の雲』、2位が『竜馬がゆく』、3位が『燃えよ剣』と、人気作品がずらりと並ぶ。司馬遼太郎記念館館長の上村洋行さんはいう。
「小学4年から94歳までと、読者層は幅広い。好きな理由や読んだ時期などを聞いたところ、400字以内の自由回答で、8割の方が書き込んでくださいました」
はじめて読んだ時期は10代、20代の人が6割、繰り返して読む人は8割近い。「好きな理由」はかなり熱い。たとえば『燃えよ剣』を選んだ鳥取県の女性は29歳。はじめてお小遣いで買った文庫本だった。
「のめりこむように読み、土方歳三に惚れこんだ小学生のあの日から今日まで彼が指針です。私が死んだら棺に『燃えよ剣』を入れてねと家族には伝えています」
大阪府の49歳、男性は『花神』一途である。
「読み返した数は数えきれなく、文庫本は読みすぎてボロボロになって3回ほど買い直しました」