パンサーの尾形貴弘
パンサーの尾形貴弘

 毎年のごとくブレークタレントが現れ、顔ぶれが頻繁に変わるバラエティー界において、いま盤石な地位を築きつつあるのがお笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘(44)だ。

【写真】上田晋也に「天才」と言われながら25年間パッとしなかったのはこの人!

 2008年に養成所の後輩である向井慧、菅良太郎とトリオを結成。若くしてテレビに出るチャンスをつかんだが、パンサーとしては足踏みの時期が続いた。そんな中、尾形は単独でバラエティー番組に呼ばれることが多く、トリオの中でひとり気を吐く存在だ。

 なぜパンサーの中で尾形だけが重宝されているのか。数多くのバラエティー番組を掛け持つ放送作家はこう述べる。

「端的に言うと、ドッキリを仕掛けたときのリアクションが神がかっているからでしょうね。『水曜日のダウンタウン』では大掛かりなドッキリから細かいネタまで、毎週のようにドッキリを仕掛けられているのですが、天然すぎるリアクションで破壊的な笑いの量を生み出すため、見ていて飽きないんです。『ロンドンハーツ』やほかのバラエティー番組も入れると相当な量のドッキリを仕掛けられているのに、それでも毎回、爆笑をかっさらえる。天才的な“リアクション王”と認めざるを得ません」

 昨年11月24日オンエアの「水曜日のダウンタウン」での「落とし穴に落ちたのに一向にネタばらしが来ないまま日が暮れたら正気じゃいられない説」という企画では、自力では絶対にはい上がれない深さの落とし穴に落とされ、壁はぬるぬる状態のため脱出は不可能と諦める芸人が大半だったにもかかわらず、尾形だけは壁を破壊して金具を手に入れ、それを巧みに使って足場をつくり、何度も失敗を繰り返しながら7時間後に自力で見事脱出を果たした。

 このシーンは、何度失敗しても絶対に諦めない姿が笑いと涙を誘い、視聴者や芸人仲間から大絶賛された。

「どうやら本人は『穴から脱出しないと絶対に終わらない』と思って必死に頑張ったようなのですが、こういう予想外の動きをしてくれるのが制作側からすると是が非でもキャスティングしたくなる理由なのです。実際、この企画のオンエア直後から尾形さんへのオファーが殺到しており、尾形さんのツイッターのフォロワー数はこれを機に1万人以上も増えたそうです」(前出の放送作家)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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ドッキリのたびに前向きな性格が浮き彫りに