「大阪では吉村知事や維新のコロナ対応が評価が高いとされている声が多いと言われるが、実際の数字を見ると、本当に功を奏しているのかは疑問だ。例えば、大阪府のコロナ感染での死者数は7日現在、3064人で東京都が3175人という数字。海外からの入国者で見たら、東京など首都圏の方が圧倒的に多いはずなのに、大阪の方がオミクロン感染者の伸びが急になっている(図参照)。このまま続ければ、国内でビジネス需要が多い、大阪から全国にオミクロンが拡散される、という懸念が実際に起こりつつあります」(前出の厚労省幹部)。
吉村知事は7日の会見で「まん延防止等重点措置」についてこう語った。
「まん延防止要請する段階とは考えていない。医療のひっ迫や重症者数などで判断すべき」
大阪府知事、大阪市長、堺市長を大阪維新の会が独占する状態の大阪。昨年の衆院選でも日本維新の会が関西で圧勝という政治状況で、自民党の大阪府議は苦悩の表情でこう話す。
「維新の政策がそのまま行政に反映され、ニュースになる。維新批判の声が届かない状態だ。昨年12月にも、松井一郎・大阪市長が衆院選の反省会と称した、大規模な飲み会を開いたことがバレて当初は批判もあったが、いつの間にかうやむやになった。コロナ対策も、勢いに任せた強気の手法でまた死者数が増えないか、危惧する声があがっている」
府、市は7日からIR事業の説明会を多くの住民を集めてやっているという。官邸関係者はこう警告する。
「大阪は維新が選挙に強く、国と違う独自策をアピールしようという考えなのでしょう。それも大事だが、まず、コロナの新規感染者を出さないことが大事。強気の対策が逆効果になってからでは遅い…」
(AERAdot.編集部 今西憲之)