デスクの下にいる「犬」!(『オンエアできない!女ADまふねこ(23)、テレビ番組つくってます』/朝日新聞出版)
デスクの下にいる「犬」!(『オンエアできない!女ADまふねこ(23)、テレビ番組つくってます』/朝日新聞出版)

 同時に、テレビの現場を生まれて初めて見た。さんまさんは収録の60分中も、めちゃくちゃ面白いことを話す。それをすべて放送しても笑えるのに、一流のスタッフがカットして、面白いところだけを凝縮して放送する。皆で力を合わせて1個の笑いを作っている現場を間近で見て、「テレビって本当に贅沢だな」と思うようになりました。

■空気を読まずバラエティー番組を放送

 就職活動をしていたとき、東日本大震災が起きました。マスコミ全般を受験していましたが、テレビから流れてくる映像が絶望的で。

 私は福島県出身なので、父親とも連絡が取れない時期があった。人が泣いている、うずくまっている、助けを求めている……そんな映像を目の当たりにし、「どうして、テレビ局を目指しているのだろうか」と、感情的に揺らいだこともありました。辛いときに、人が苦しんでいる映像を流すのがテレビの役割なのか、と。

 でもそんなとき、テレビ東京だけが、空気を読まずバラエティー番組を放送していた(笑い)。それを見たら、本当に安心しました。祖母が「人が笑っているのを見るのはいいね」と言っているのを聞いて、テレビ東京に行こうと思いました。就職活動時期が2011年だったというのが、自分の中では大きく影響しているんだと思います。

■就職活動の面接で見せた企画書は「狩女伝説」

 テレビ局に入社する人が一番やりたいのは、自分の番組を作ること。私も「ど・バラエティー」を作りたくて入社しましたし。当時は、過激な恋愛バラエティーがあんまり無かったんです。「素人参加型トーク番組」に出ていろんな女性と会った私にとって、婚活や合コンに燃え、家で一人で千鳥足になるまで飲むアラサーの女性たちが、観察するにはめっちゃ面白い対象だった。だから、作るなら素人の恋愛リアリティーショーだと思っていました。

 当時の恋愛番組は男女の人数が一緒で、一カ所に集めたらどうなるだろうかというもの。でも、私が考えていたのは「狩女伝説」。無人島に、すごく結婚したい女性を集めて、そこにめちゃくちゃいい男を一人放つ。無人島で共同生活をさせて、狩りのように恋愛をする。就活の面接の際に、「これをやりたいんです!」と企画書を見せていました。

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デスク仕事はセクシー座り?