いつまでも若々しい人は、同じ年齢でも「体内年齢」が違うという。特に40代からは筋力量の低下が始まるだけに、その差が生まれやすい。コロナ禍で運動不足ともなればなおさらだろう。AERA 2022年1月17日号は、体内年齢を下げるための運動法を紹介する。
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時の流れは万人に平等だ。だが、「若さ」となると、そうともいえない。
以前は「若いね」とよく言われた。いつの間にか「年相応」になり、最近は「疲れてない?」とよく言われる。あの人は肌艶もよく若々しく見えるのに、自分はそうではなくなった──。そんな覚え、ないだろうか。
体内年齢の差について、こんな報告がある。ニュージーランドで実施され、2015年に発表された「ダニーデン研究」では、同じ年齢の男女約千人を対象に、心臓・肝臓・腎臓の機能、血圧やコレステロールの状況など18の項目について、26歳から38歳までの12年間、追跡調査した。すると、38歳時点の体内年齢は28歳から61歳まで、なんと33歳もの開きがあったのだ。
なぜ、これほど差が出るのか。どうすれば体内年齢を若く保ち、若返らせることができるのか。
「まずは自身の体組成と体内年齢を知り、『どう生活を変えるか』を考えるとよいと思います」
こう話すのは、「体組成計」を開発・販売しているタニタ開発部の深山知子さんだ。
■筋肉量多いほど若い
体組成とは、脂肪、筋肉、骨、水分など体を構成する組成分のこと。タニタの体組成計は、体重、BMI(身長と体重から割り出す体格の値)、体脂肪率、筋肉量、推定骨量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量などを計測する。体内年齢は、厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準」にある「基礎代謝基準値」の年齢傾向をもとに作成した、タニタ独自の計算式に、計測した体組成値を当てはめ、推計値として算出している。
「一般に同じ体重でも、筋肉量が多い人ほど基礎代謝量は多く、体内年齢は若く出ます」
30代から50代までの編集部員男女8人も体内年齢を測ってみた。すると、スポーツ習慣のある57歳の男性が体内年齢42歳だったほかは、軒並み実年齢前後をウロウロ。そこまでひどい年齢が出なかったのは救いだが、総員、運動不足には自信がある。
深山さんは、計測時の筋肉量に注目してほしいと話す。