大学入試の会場で受験生が刃物で刺されるという前代未聞の事件が発生した。
15日午前8時半ごろ、大学入学共通テスト会場となっている東京・文京区の東京大学前の路上で、17歳の少年が刃物で千葉県在住の高校生の男女2人、72歳の男性の3人を切りつける事件が発生した。警視庁は現場にいた17歳の少年を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。
少年は名古屋市在住の私立高校2年生で、容疑を認めているという。少年は「駅に火をつけた」とも供述しており、東大前駅構内には着火剤のようなものがまかれた跡が残っていた。
被害にあった高校生2人は共通テストの受験生、72歳男性は大学関関係者とみられており、3人とも少年と面識はない模様。3人とも刃物で背中を切りつけられ、男子高校生は傷が深く重体、72歳男性も病院搬送後に容体が急変し緊急手術を受けている。
事件の状況を捜査関係者はこう話す。
「少年は詰め襟の制服のような格好だった。家から持参した刃渡り15センチのナイフで、72歳男性、17歳女子学生、18歳男子学生の順で背中から刺した。大声を上げたりはせず、カバンのようなものから刃物を取り出し、小走りで3人に駆け寄って、次々と刺したようだ。事件に気づいた警備員が、すぐに少年を捕まえて刃物を取り上げた。警察が駆け付けた時は道の上に座り込んでいた。その場で犯行を認めたので 殺人未遂で現行犯逮捕した。今朝、東大前駅に爆竹に火がつけられた形跡があったが、それも自分の犯行と認めている」
東京メトロ広報部広報課によると、東大前駅の改札前と改札口付近の少なくとも3カ所に着火剤がまかれていた。着火剤をまいたのは「短髪の男性」で、同一人物とみられる男が電車内で液体をまいたのち、東大前で下車した可能性もあるという。
「リュックのようなものから液体が漏れ出していたことが、王子駅で見つかっています。液体は水かスポーツドリンクのようなもののようで、検証中です」(広報課)