「(ダルビッシュは)2021年はMLBキャリアの中でも2番目に悪い防御率を記録したが、高い三振率(29.2%)や低い与四球率(6.5%)といった基礎となる数字は、防御率の数字よりもはるか良く、それは(将来の)励みになる。2021年の被本塁打率は1.52/9回で、これは通算よりもはるかに高いが、それ以外の能力は2019年や2020年と変わらない。これが2022年のダルビッシュに関心を持つ理由だ」

 同記事は、アメリカで人気の『ファンタジー・ベースボール』というシミュレーションゲームのプレーヤーに向けられたものだ。『ファンタジー・ベースボール』は、プレーヤーが実在する選手をドラフトやトレードなど編成して、自分だけの架空のチームを作り、他のプレーヤーとポイントを競い合うゲームだ。ゲーム上で使用される選手の成績は、そのシーズンでの実際の数字が反映されるため、開幕前に行われるドラフト(チーム編成)では、通常、前年の成績が良い選手に人気が集中する。だが、『ロト・ボーラー』は、今年のダルビッシュは注目の選手になると睨んでいる。

 ダルビッシュの復活を予想するのは、このようなゲームの情報サイトだけに限らない。米有力スポーツメディア『ジ・アスレチック』は、1月6日に掲載した「2022年シーズンに復活に向かう4人の投手」という記事で、ダルビッシュを復活する投手の1人として選出し、その理由についても詳しく説明している。

 同記事が注目したのは、ダルビッシュの被本塁打率(ホームランを打たれる割合)だ。そして、これがダルビッシュ復活のカギになりそうだ。同記事は、昨シーズンに70イニング以上を投げた投手のうち、昨季の被本塁打率の数字が通算成績よりも悪かったり、あるいは変わっていない15人の投手を選出し、誰が良い「バウンスバッカー(復活する)」になるのかという検証を行った。その際、防御率とK-BB%(三振引く与四球)の数字が高く、昨季の被本塁打率が通算よりもはるかに悪いことを条件としている。

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