夏休みに歯科検診に行くのもいい
夏休みに歯科検診に行くのもいい
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 太り気味のAさん(男性、50代)は、歯周病を患っていたが、歯科医がケアをするように何度も注意を促しても聞こうとしなかった。男性はその後、来なくなったが、あるとき突然、歯科医を再び訪ねてきた。激やせし、心筋梗塞になったと歯科医に伝えたという。

 二階堂歯科医院(東京中央区)の二階堂雅彦院長が実際に診療した患者という。男性の心筋梗塞は「歯周病が原因なのかはっきりわからない」と話すが、二階堂さんは歯周病とさまざまな病気との関連が指摘されているという。特に、糖尿病との因果関係は強いと話す。

 歯周病は、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)から侵入した細菌が歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨を溶かす病気。最近の研究で、全身疾患と関連することがわかってきた。

 厚生労働省のサイトによると、口腔の疾患はさまざまな全身疾患と関連しているとの報告があり、特に歯周病を挙げる。なかでも、歯周病と糖尿病が関連性が高いとされるという。そのほかにも、心疾患や慢性腎臓病、呼吸器疾患、骨粗しょう症、関節リウマチ、悪性がん、早産・低体重児出産などとの関連も報告されているという。

 歯周病は国民の8割がかかっているとされる。しかし、二階堂さんは「これはごく軽度な人から、歯がぐらぐらしたり、抜けた人までを含めた乱暴な数値」と解説する。歯周病で重症化しやすいのは10%程度とされ、遺伝的な部分もあるという。二階堂さんは「出血するとか、歯が揺れているのはだいぶ進行していると思ってほしい」と警鐘を鳴らす。

 全身疾患につながりかねない歯周病の予防は、どうすればいいのか。

 まずは、適切なブラッシング。二階堂さんは「磨いているのと、磨けているのとは違う」と指摘する。自分では見えない箇所は、歯ブラシが届いていないこともある。歯科衛生士が磨き方を指導してくれるので、相談してほしいという。

 さらに、適切なブラッシングと定期的な検診との両輪で、「心配なく過ごせる」と二階堂さんは話す。定期的な歯科検診は、リスクのない人で年1回くらい、リスクの高い人は3カ月に1回くらいと、リスクに応じた対処が大切になる。

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