「幼いころから、朝起きたら仕事があるっていう感じでしたから。私にとって、仕事は習慣なんです。歯を磨いたり、食事したりするのと同じようなもの。だから特に頑張らなくても、すーっと入っていけるんです」
今は「世界の船旅」(BS朝日)で、ナレーションをしている。
「私、船旅なんかしたことない。わかんないことばかりだから、番組の中で『へー、きれいなとこだなあ』『楽しそうだなあ』と思えて楽しい。この仕事のいいところは、知らない世界に触れて吸収できることよね。例えば『篤姫』(NHK大河ドラマ)でお姫様に仕える侍女の役をやったら、『お姫様と侍女ってこんな感じだったんだ』と、その世界に飛んでいけたし。いろいろ勉強できて面白がれる仕事よね」
前向きに面白がる姿勢は今、押し売りやオレオレ詐欺対策にもいかんなく発揮されている。
「変な電話がかかってくると、“七色の声”を使って『今、奥様いらっしゃいませんので』と言ってやるのよ。ハハハハハ」
(本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2022年1月21日号