急いで降りて「じゃ、お願い!」と喬太郎師匠の声を受け上野へ。雪はまだ降っている。19時45分。再び上野鈴本楽屋入り。今年まだ会っていなかった師匠・一朝に新年の挨拶。今年も一門の新年会が出来なかった。オミクロンめ。
今日、五席目の高座。お客さんは陽気でよく笑う。大雪や台風など荒れた天気の客席は、一体感があって盛り上がるのだ。「よくこんな日に来ますね(笑)」と言うと、皆「あたぼうよ、こんな日だからこそ来るんだ!」というような満面の笑み。昼のお客さんはちょっと後悔が滲んでたが、夜は開き直りの様子。
気持ちよく喋って外に出ると雪は止んでいたが、10センチも積もったか。雪の正月もなかなかいいんじゃないですか。
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。新刊書籍『人生のBGMはラジオがちょうどいい』(双葉社)が発売。ぜひご一読を!
※週刊朝日 2022年1月28日号