作家・室井佑月氏は、夏の参院選に向けて、野党の戦い方について持論を展開する。
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1月23日付の毎日新聞、「夏の参院選比例投票先、『自民』が最多27% 毎日新聞世論調査」という記事によると、
「夏の参院選の比例代表で、どの政党に投票したいか聞いたところ、自民党が27%で最多で、日本維新の会が21%で続いた。この他、立憲民主党11%▽共産党5%▽国民民主党4%▽公明党4%▽れいわ新選組3%▽NHK受信料を支払わない国民を守る党1%▽社民党1%──などとなった」
だってさ。野党連合、立憲+共産+社民+れいわの支持率を足してみたけど、自民党どころか維新にも勝てないやんけ。これってなにがまずかったんだろうか。
コロナ禍で生活格差は広がっている。新聞を読めば、毎日のように貧困者についての話題が書かれている。
野党はもっとはっきりと、「弱っている人、困っている人に寄り添う」と打ち出すべきなんじゃないか。それができてたらこんな数字になるわけがない。
というのも、去年の衆議院選にパートナーが立候補し、街頭演説をしたとき「格差是正」の話をするとかなり盛り上がった。
この国の貧困者が増えたのも事実だし、お金持ちが増えたのも事実。なら今、お金持ちに「少々、負担をお願いします」、そう言ってもバチは当たらないのではないか、という話をするとどこでも拍手がわき起こった。
実際、普通に生活をしていれば、困っていそうな人の姿はたびたび目に飛び込んでくる。たとえば、夜のスーパーに買い物に行って、半額になった総菜を右手と左手両方に持ち、どちらを買うかを悩んでいる人、廃棄されるキャベツの外側の葉を持ち帰ろうとしている人。ここ数年で増えたように思う。