ド派手な日本ハム・新庄剛志新監督と、今季限りでの退任を表明した阪神・矢野燿大監督。対照的なスタートを切った元同僚同士が今季に臨む。2人の狙いは何なのか。AERA2022年2月14日号の記事を紹介する。
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就任以来、民放各局のバラエティー番組に出演するなど人気を集めてきたのが日本ハム・新庄剛志監督(50)だ。本職の野球でも主役の座は譲らない。
春季キャンプイン前々日の1月30日に沖縄入りすると、約40個のグラブが縫い付けられたド派手なコートで報道陣の前に登場した。本誌1月31日号の表紙を飾った衣装だ。31日の夜には名護市で「花火ショー」を自らプロデュースし、約2200発の花火を打ち上げた。
「2月の1カ月間、無事に選手、スタッフ、そして取材に来てくれているマスコミの皆さんが過ごせるように! さらに今、感染症の被害にあわれている方々や治療にあたっている医療従事者の方々へ励ましと感謝の意味も含めて花火を打ち上げたいと思います」
キャンプ初日の2月1日にはトライクと呼ばれる白色の三輪自動車に乗り、国頭(くにがみ)村での「BOSS組(2軍)」に現れた。2、3日には元陸上10種競技日本王者で現在は日本フェンシング協会会長の武井壮さん(48)を臨時コーチに招き、選手の走塁を指導してもらった。8人の臨時コーチ企画で、今後どんなサプライズゲストが来るのか注目される。在京スポーツ紙記者は言う。
「選手の間でも『誰がコーチで来るんだろう』と話題になっているみたいです。ただ、決して遊びではなく、全てが野球につながっている。武井さんはプロ野球でプレー経験はありませんが、走ること、体を動かすことに関して豊富な知識を持っており、それを実践するために言語化する能力が高い。足が決して速くない選手も今回の指導で走ることに興味を持ったでしょう」
「新庄監督は『守備と走塁』に重点を置いた野球を目指しています。個人的には元中日監督の落合博満さん(68)の野球に似ていると感じますね。相手のスキを突き1点を奪い、守り勝つ。キャンプでは走塁と守備の技術練習に時間を割いています。足が速い選手は重宝されるのではないでしょうか」