今年で結成29年目となるDEEN。グループが長続きした秘訣はチームワークの良さだという(写真:EPIC Records Japan提供)
今年で結成29年目となるDEEN。グループが長続きした秘訣はチームワークの良さだという(写真:EPIC Records Japan提供)

●念願のメジャーデビュー

――「蕎麦」でのブレイクも興味深いですが、来年は節目のデビュー30周年も控えています。ここまで長く続けられる秘訣を教えてください。
 
 30年って単純にすごい数字だと思います。これだけ長く活動を続けていると、途中でギスギスしてきて解散なんていうのはよく聞く話ですけど、DEENに関してはそんなことを考えたことは一度もありません。そもそもDEENって元々あったグループではないんです。僕もキーボードの山根公路も、デビュー曲「このまま~」で集められたメンバー。つまり、楽曲のほうがすでに先に出来ていて、あとは「誰に歌ってもらうのか」っていう選考で、運良く選ばれた。山根ともDEENでデビューすることが決まってから初めて会いました。だからDEENって「バンド」っていうよりかは一つの「プロジェクト」っていう意識のほうが強い。僕であればDEENっていうプロジェクトにボーカルで参加しているに過ぎないというか、あくまで役割分担の一つのようなイメージです。たぶん、それは山根も、制作チームもそうだと思う。だから、みんな「俺が!俺が!」とかって決して前に出ない。全員がほどよい距離感を保っているので、それがDEENの場合はうまくハマった。大事なのはやはりチームワークだと思います。

――デビューシングルとデビューアルバムが同時にミリオンヒットを記録。当時は史上初のことでした。率直にどう感じましたか?

 もう、どうしようかと思いました。特に「このまま~」は、DoCoMoの大型タイアップも決まっていて、曲が日本中、至るところで流れているし、正直とまどいました。歌手として成功したいと思って上京してきたのに、ほんとうに売れたら焦るんだなって(笑)。それに僕はDEENとしてデビューする前は、ブラックミュージックをやっていたので、音楽性に差がありすぎて対応が難しかったですね。でも、DEENでデビューできてほんとうによかった。だって、50歳を過ぎてブラックミュージックで盛り上がっている自分はなかなか想像しづらいですから(笑)。

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