羽生結弦のSPの演技(gettyimages)
羽生結弦のSPの演技(gettyimages)

――今日は感情を抑えている。

 感情を抑えているっていうよりも、やっぱなんですかね。何かを見たときに、やっぱちょっと一つ欠片が崩れてるだけで、ちょっと何か完成されてなく見えたんじゃないですかね。しょうがないです。

 でもそれでも95点出していただけたのはすごくありがたいですし、それだけ他のクオリティーを高くできたっていうのは、自分をほめていきたいなって思いますし。何ですかねもう、正直言って何か僕悪いことしたかなって思ってます。何か悪いことしたから、こうなってしまったのかなとかって、なんかもうそういうことしか考えられないぐらいのミスでした。

 もちろんありました。いつもと違う空気感もありましたし。でもすごくいい集中状態で、何一つほころびもない状態だったので、だからこそ、今すごく何か、ミスの原因を探すと整理がつかないんですね。スケートのほうでのミスは全くなかったので、何か嫌われることしたかなって。すごい氷に嫌われちゃったなって思いながらやってます。

――2日前に入ることを決めた理由を改めて教えてもらいたい。

 自分自身、何か長くいればいるほど、だれてくるっていうのもあって、だんだん調子が悪くなってくるのが、結構このシニアに上がってから感じてて。世界選手権とかも長いですけど、あまり長くやり続けちゃうと、気合が入りすぎてしまうので、疲れちゃうなっていうのもあって、ギリギリに団体戦のメンバー発表があった時点でギリギリにしようっていうことを決めました。

――(五輪では)初めて首位ではなくてフリーを迎えるが、その気持ちを教えてください。

 まだ順位が決まってないので、なんとも言えないんですけど、フリーを頑張るしかないですよね。

――4回転半について。

やると思います。そのジャンプがとても難しいのはわかっているし、4回転半だけでなく、すべてに集中しなければいけないと思っています。

――フリーでどんな「天と地と」を見せたいと思いますか。

 氷に引っかからないように、一日一善だけじゃなくて、もう本当に一日十善ぐらいしなきゃいけないのかなってちょっと思ってますけど。でも、それくらい練習としてはしっかり詰めてきてて、演技に関してはすごく自信がある状態でこれてると思うので、あとはもう、神のみぞ知るっていうか、うん。とにかく、まだ時間はあるので、またショートが終わった後の時間を有効に活用しながら、本当に皆さんの思いを受け取りつつ、完成されたものにしたいなって思います。

―ありがとうございました。

 ありがとうございます。フリー頑張ります。お願いします。

(ライター・野口美恵)

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