前回平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(24)が3位発進した。8日の北京オリンピック(五輪)のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で、105・90点の自己ベストをマーク。演技後のインタビューで、「団体戦と比べると、一つジャンプでミスがあったので、自己ベストが出るのは驚きだったのですが、成功したジャンプそれらがすべて自分の中で納得のいくいいジャンプだったと思います」などと話した。
首位は世界選手権3連覇のネーサン・チェン(22)=米=で、SP世界最高の113・97点。2位は鍵山優真(18)で、自己ベストを更新する108・12点を出した。五輪3連覇を目指す羽生結弦(27)は95・15点の8位。男子フリーは10日にある。
宇野と報道陣との主なやりとりは、次のとおり。
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――4回転―3回転で手をついた瞬間、気持ちはどうだった。
「あー、つきたく……。トーループ(ジャンプ)を跳んだときはいけそうだったんですけど、これが練習と試合の違いといいますか、それは試合で失敗し続けないと、やはり身につかないものなのかなっていうのは感じました」
――戻ってきて、得点が出るまで。けっこう大きな失敗だと思いましたか。
「そうですね、(その時点で)2位くらいかなとは思ってました」
――ちょっとやっちゃったなっていう感じは。
「でもやっちゃったなっていうよりも、いつもの練習どおりの感じで試合に挑むことができたので、そんなに『わ、やってしまった』っていう感じはなかった」
――この位置づけをどう捉えていて、フリーではどういう滑りをしたいと感じていますか。
「そうですね、フリーではこのショートプログラムより絶対難しい構成が待っているので。ただ、あまり高望みはそこまでしてないですか。僕が求めているのは練習につながる試合。そして、練習は試合につながる練習、それを求めてます」
――コーチが来られたことで、精神的な面はどうですか。
「そうですね、やはりステファン(・ランビエル)コーチとスピンのことだったり、ステップのことだったり、どこが取りこぼした原因なのか、そういったところを話し合って、練習でも、そして試合の中でもそこを意識できましたし。ただ、演技の他のジャンプ以外のことに関しては。あんまりジャンプのことばかり考えていたので、振り返って見直したいなと思ってます」
(ライター・野口美恵)
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