できれば、「入浴後にストレッチをする→音楽を聴きながら本を読む→ラジオでニュースを聴いてふとんに入る」など、毎日同じ行動パターンにするといい。自分なりのルーティンといっても、スマホやパソコンなどのデジタルツールを使っての習慣は避ける。

 眠れないとき、市販の睡眠改善薬を使用する人もいるだろう。ドラッグストアなどで購入できる睡眠改善薬を、用法用量を守り一時的に使用することは問題ないと両医師はいう。ただし薬を使っても、生活スタイルが変わらなければ根治的な解決にはならないとも話す。

 不眠に悩んでいるなら市販薬も一つの手だが、医療機関に早めに相談することも検討したい。

「眠れなくてつらい、あるいは眠れないせいで日中の生活で困ったことがあるという状態が1カ月以上続いている場合は医療機関を受診し、相談することが望ましいでしょう」(林田医師)

 不眠症の診断や治療は、精神科や心療内科などで受けることができる。どこを受診すべきかわからない場合は、「まずはかかりつけ医でもいいのでは」と内山医師はいう。

「不眠症か、別の病気かの鑑別も含め、必要に応じて専門医を紹介してもらってもいいでしょう。また厚生労働省では、良い睡眠のための生活習慣や環境について、ライフステージやライフスタイル別にまとめた『健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~』を公開しています。ホームページで見ることができるので、参考にするといいでしょう」

(文・出村真理子)

週刊朝日  2022年2月18日号