■眠れないときは一度ふとんから出る
一方で、昼寝はなるべくせず、「眠りたい欲求を夜までとっておけるのが理想」と林田医師。どうしても眠い場合には、15時ごろまでに20分程度の仮眠にとどめることが望ましいという。
夜の過ごし方で避けたほうがいいこととして、就寝4時間前ぐらいからのカフェインやアルコールの摂取、脂っこい食事、激しい運動などが挙げられる。寝つきをよくするために寝酒がいいと考える人もいるが、アルコールは不眠の原因になる。
「お酒を飲むと少し寝つきがよくなることもあります。ですが、アルコールは4~5時間程度で代謝されるため、夜中に目が覚めて眠れなくなることに。そのせいで酒量が増え、肝臓をこわすという悪循環に陥るリスクもあります。眠れないからお酒を飲むという発想はやめましょう」(同)
また、日常的にベッドの上で食事や仕事をしたりすることも、避けることが望ましいと林田医師はいう。ふとんやベッドは寝るためだけのものにし、寝ると決めた時間、あるいは眠くなるまでは、ふとんに入らないことをすすめている。
眠れないことへの不安が強いと、「また眠れないのでは」という思いがさらなる不眠を招き、不眠症の慢性化につながることも。なかなか寝つけないときや、夜中に目が覚めて眠れなくなったときには、「一度ふとんから出てしまうほうがいい」と内山医師はいう。
「人間は本能的に、暗いところにいると警戒心が強くなって緊張します。寝るためには暗くて静かな環境がいいといわれますが、眠れないときに暗いところに長くいると不安になって悪いことばかり考えてしまったり、緊張や孤独感が強くなったりして、よけい眠れなくなってしまうでしょう」
■症状1カ月以上が医師に受診の目安
一方で、リラックスして眠りにつくためにすすめられるのが、自分なりのルーティンを決めておくことだ。「ぬるめのお風呂にゆっくり入る」「音楽を聴く」「本を読む」など自分の好きなことをして過ごす。