リヴァプールの南野拓実(写真/gettyimages)
リヴァプールの南野拓実(写真/gettyimages)
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 ヨーロッパサッカー界は1月の移籍市場が閉幕し、主要リーグでは今シーズンの陣容が確定。各リーグ優勝争い、欧州カップ戦出場権争い、残留争いと、至るところで熱戦が繰り広げられている。

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 そんなサッカー界の中心地で戦う日本人はかつてないほどに多く、1月にも多数のJリーガーが海を渡った。旗手怜央や前田大然らはいきなり結果を残し、早くもチームに欠かせない存在となっている。

 だが、そういった選手は稀だ。激しい競争に巻き込まれるのが常であり、ビジネス化が進み頻繁に選手が入れ替わる現代では、結果が残せなければあっという間に居場所がなくなってしまう。それほどシビアな世界だ。今回は、後半戦に向けて結果が必要な4選手をピックアップした。


南野拓実|リヴァプール

 加入2年目を迎えた南野は、現在リヴァプール・キャリア最高の時を過ごしている。カップ戦を中心に今季20試合でピッチに立ち、7ゴールを記録。節目の50試合目となった2月6日のFAカップ・カーディフ戦でも自ら祝うべくネットを揺らした。そんな27歳FWに、ユルゲン・クロップも「彼は最高の状態」と大満足だ。

 チーム内でも本当に愛されているのだろう。それは得点後に駆け寄ってくるチームメイトの顔を見ればわかる。中心的人物であるフィルジル・ファン・ダイク、1月16日の誕生日にゴールを譲ってくれたロベルト・フィルミーノ、毎得点後に必ず会見で言及し、笑顔で称賛の言葉をかけるクロップ……。試合でも練習でもプロフェッショナルな姿勢を示す彼のゴールを、仲間たちは心より喜んでいる。

 だからこそ、後半戦はリヴァプールでのキャリアを左右する重要なものとなる。先述の通りカップ戦などでは結果を残しているが、モハメド・サラー&サディオ・マネ不在時でもプレミアリーグで先発する機会はなし。アレックス・オックスレイド=チェンバレンのゼロトップ等が優先された。その上で、コロンビア代表FWルイス・ディアスという強力なライバルが加入。実際に彼の獲得後、リヴァプールは南野の放出も考えていたようだ。

 本人は戦い続ける覚悟を持って残留を決意したが、これまで以上に出場機会を掴むのは難しくなる。ワンプレー毎によりシビアな目で見られていくことになるだろう。世界最高峰のポジション争いを経験できるものはほんの一握りの選手だけであり、南野にとって確実にプラスとなる。だが、正念場を迎えたことは間違いない。

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