天龍さんが語る「長州さん、天龍に勝ちましたね！」ひと言多いプロレス界イチやっかいな男の“性格”

　50年に及ぶ格闘人生を終え、ようやく手にした「何もしない毎日」に喜んでいたのも束の間、2019年の小脳梗塞に続き、今度はうっ血性心不全の大病を乗り越えてカムバックした天龍源一郎さん。人生の節目の70歳を超えたいま、天龍さんが伝えたいことは？　今回は「性格」をテーマに、つれづれに明るく飄々と語ってもらいました。

【写真】久しぶりに天龍さんがアップしたインスタは「宣伝部長」！

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　俺の性格は自他ともに認める“北向き”だ。それに加えて、へそ曲がりなもんだから、周りの連中には面倒くさい奴と思われているだろうな（笑）。でも、そんな性格だから相撲もプロレスもうまくいっていなかったとき「俺はこんなもんじゃない！」という思いがあって、頑張ろうという前向きな行動ができたんじゃないかな。普通の性格だったら「まあ、こんなもんだろう」って、大して上までいけなかったと思うんだ。「こんなもんじゃない！」という思いがあって、それが俺自身を頑張らせてくれたんだよ。

　相撲の世界では、仲間内だと着物の帯に手を突っ込んだまま「お疲れっした」と挨拶するんだけど、若い頃から“北向き”へそ曲がりな性格だったから、親方にそれをやってしまって「なんだこの野郎！　礼儀がなっていない！」と怒られる。立ち止まって、手を出して、しっかり頭を下げるのが当然だろうってね。そうやって怒られているときですら、俺は「立ち止まってあいさつして欲しかったら、お前がもっと偉くなれよ！」なんて思っていたもんだ。我ながら生意気だね（笑）。そんな俺でも、家庭にいると女房と娘にやりこめられちゃう。最近はいらない口を叩かないように、ガムをかみながらじっと我慢しているよ。家の中ではなかなか北向きが発揮できないな！

　俺と同じ北向きな性格がうまく転じて、相撲界で成長著しいのが阿炎だ。彼は反骨心を持っているからこそ、あれだけ突っ張ることができるんだと思う。阿炎はいっとき、勝負に対してキレイというか、サッパリしていた印象だった。それが謹慎期間を経て、そこで反省して「俺が食っていく術は相撲しかない」と気づいて、相撲に一生懸命打ち込むようになって今の成績があるんじゃないか。もともと北向きな性格だったのがいいように転がった例だ。師匠の寺尾（錣山）も一風変わった性格な印象だからね……。