竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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 コロナ禍以降、私たちは専門業者と組んで、商品のデリバリーサービスにも力を入れてきました。

【写真】店内キッチンの空き時間を活かして作っているデリバリー専用商品の「チキンオーバーライス」はこちら

 スマホでローソンのデリバリーを頼まれるお客様の中には、それまで店舗に足を運んでいただけていなかった方もいらっしゃるはず。「新しいお客様とつながることが可能になったな」という手応えを感じるなかで、私たちはさらに発想を進めて、「では、お客様が次に求めていらっしゃるものって何だろう?」と考えました。

 今の私たちにないものと言えば、いわゆるできたてのレストランメニューです。例えば、エスニックテイストの商品にしても、本格的なタイ料理をできたてでお届けできれば、さらに喜んでいただけるのではと考えました。

 着目したのが、ローソンの「店内キッチン」のアイドルタイム(空き時間)です。ローソンは全国1万4700店舗のうち、すでに約8千店舗で「まちかど厨房」を設置。調理したての商品を提供しています。ただ提供時間は朝一番やお昼時など、お客様が多くいらっしゃる時間に集中します。店内キッチンには結構、アイドルタイムがあるんです。

 そこで、そのアイドルタイムとレストランメニューのデリバリーニーズをつなぎ合わせる発想で生まれたのが「ゴーストレストラン」です。レストランと言っても、店内での飲食ではなく、デリバリーのみで提供する形態の新規事業なんです。

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