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 人気のYouTubeチャンネル「令和の虎」に出演していた経営者たちが、賭けポーカーをしていたことが発覚しました。令和の虎は、「マネーの虎」をもじったタイトルの人気YouTubeチャンネルです。起業家がプレゼンテーションし、投資家や経営者が審査員をして、合格すると出資を受けることができます。非常に人気のコンテンツで、審査員として出演していた経営者たちも人気になっています。

 賭けポーカーをしていた経営者は、「令和の虎」に出演していた一部の方々ですが、チャンネルは当面の間配信を休止するそうです。また、今回の騒動で、トモハッピーこと斎藤友晴さんは事実を認め謝罪動画を投稿し、林尚弘さんも事実と認め、武田塾の塾長職と運営会社の取締役を辞任することになりました。チャンネルが急激に成長した矢先に、大きな打撃となった今回の騒動ですが、社長や経営者がYouTubeに出演することのリスクについて改めて認識させられた事態と考えます。

 賭けポーカー騒動は、Twitter上で大きな話題となり、炎上しました。この根底にある心理として、令和の虎に出演していた経営者たちは、若くて派手で個性的な「成り金」のようなイメージがついていました。「調子に乗っている」「偉そう」と捉えられるような言動もありました。今回の騒動は、経営者たちをたたく絶好の機会ともなり、「ガス抜き」のような形でヒートアップした面もあります。

 さらに、賭けポーカーだけではなく、後輩の経営者に飲食代やポーカー代などを肩代わりさせていた疑惑などもあり、騒ぎは大きくなりました。経営者と出資者というお金の貸し借りの関係性や人を紹介してもらったなどの恩があったり、企業においても重要な取引先となると、様々な要求に応えなければならない場面も出てきます。ポーカーやイベントに誘われても断れなかったり、接待交際費として支払わなければならない立場の人もいたかもしれませんが、事実関係は不明です。いずれにせよ、賭けポーカーに参加していた経営者たちのイメージは悪化しました。

 最近では、経営者自身が出演するYouTubeチャンネルも増加しており、TikTokやInstagramを通じて情報を発信する社長も増えています。元ZOZOTOWN社長の前澤友作さんの言動には多くの人々が注目しています。テレビのCMを見ても、トヨタ自動車の豊田章男さんが出演しており、「オモテに出てくる経営者」は結構多くいらっしゃいます。特に経営者の方々は個性的で面白く、人間的な魅力も強い方々が多いので、ドキュメンタリー番組を拝見しても参考になる部分は大いにあります。

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