「カーリング女子といえば平昌五輪の時に『そだねー』が新語・流行語大賞に選ばれた。この時も真剣勝負の試合と対照的な純朴な方言が人々の心を掴んだ。タイム中とはいえ試合中にお菓子などをおいしそうに食べる姿は見ていておもしろい。真剣な表情との対比が際立ってテレビ的にもすごく良い」(在京テレビ局スポーツ担当)
また選手の親しみやすさだけではなく、カーリングの競技としての魅力も人気となった理由の一つかもしれない。
「選手たちの魅力のみで注目されているのではない。頭脳的なスポーツで先を読んでストーンの位置を決定するため『氷上のチェス』と形容される。将棋や囲碁が好きな日本人が興味を持つ要素も詰まっている。五輪は地上波放送でも見ることができるので高齢者を中心にカーリングに熱中する人が続出している」(在京テレビ局スポーツ担当)
緻密な計算とそれを遂行する高い技術力が要求される。国中が注目して目にする機会が増えればルールや戦い方も自然と理解できるようになる。ロコ・ソラーレの人柄やパフォーマンスに惹かれる人に加え、競技自体に魅力を見出してファンになる人も出てきている。
「ロコ・ソラーレはアスリートとしての熱い気持ち、魂を感じさせるのも良い。藤沢選手は毎試合ごとのテーマを手に書いて強い気持ちで試合に臨む。チームの創設者であり平昌で銅メダルを獲った時のメンバーである本橋麻里の名前を手に書いていたこともある。アスリートとしての矜持、そしてカーリング・ファミリーの絆を感じさせます」(スポーツ新聞現地取材記者)
今回の北京五輪でも印象的な場面が多かった。1次リーグの最終戦となったスイス戦では試合に敗れメダルの可能性がついえたかに見えたが、ギリギリで準決勝進出を決めた。試合後にその一報を聞いた選手たちが「嘘でしょ」と泣き崩れたシーンは北京五輪での名場面の一つとなった。さらに準決勝では一度負けたスイスを接戦の末に破るなど、ドラマチックな瞬間が幾度となくあった。
北京での躍進でカーリング人気がさらに高まった感じもあるが、その地位を長く確保していくことが選手たちの願いでもある。