第一生命経済研究所は、原油価格や為替相場が今の水準で高止まりした場合、1世帯あたりの年間の家計負担額はガソリンと灯油を合わせ、20年に比べ1万8700円増えると試算している。
総務省の家計調査をもとに、編集部が2人以上の世帯でガソリン代の支出を調べたところ、消費全体に占める割合が高かったのは長野や群馬、山形などだった。先の試算分が上乗せされれば大きな負担増だ。
給料も年金もなかなか上がらない中、負担を和らげる方法はないのか。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、よく利用するガソリンスタンドの系列ブランドのクレジットカードを作るとよい、と助言する。
「カード払いで1リットルあたり1~2円値引きされるケースがあります。また、大手元売り会社ENEOSホールディングスなどでは、傘下の電力会社と契約すると、お得度が増します。ガソリン代や電気代の割引率が増えるサービスもあるからです」
大型量販店「コストコ」に併設されたガスステーションも注目という。コストコは会員制で、ガソリンスタンドがすべての店舗に併設されているわけではないが、ガソリンの値段が相場より割安に設定されているところが多い。利用しやすいスタンド併設店があれば検討してみよう。
近所のガソリン代を調べられるアプリも便利だ。ガソリン価格の比較サイト「gogo.gs(ゴーゴージーエス)」は、スマホやパソコンで近所のスタンドの位置や価格情報を調べたり、営業時間やセルフ給油など指定した条件で絞り込んだりできる。
さらに丸山さんは言う。
「一番の基本は『エコドライブ』。環境省のサイトには、発進時は穏やかにアクセルを踏む、ムダな加速や減速を避けるといった燃費のいい運転方法が示されています。環境にもいいのでぜひ実践してください」
補助金の増額や期間延長など、政府は追加対策を検討しているが、値上がりは待ってくれない。まずはできることからやってみよう。(本誌・池田正史)
※週刊朝日 2022年3月4日号