ガソリンの値上がりが止まらない。価格を抑えるための政府の対策は小出しで、与党からも不満が噴き出した。そもそも価格には地域差がある。実態を調べてランキングにし、賢い給油法を探ってみた。
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「12月は月間のガソリン代が、ストーブ用の灯油と合わせ1万円を超えてしまいました。この冬は寒いけど、ストーブをつける時間を短くしています」。茨城県で夫と2人で暮らす70代の女性はこう漏らす。
それまでガソリン代は月6千~8千円くらいだった。一番近いスーパーへ買い物に行くのにもクルマがいる。外出や付き合いを減らすのも限りがあり、手っ取り早く生活費を抑える方法として、まずは寒さをガマンすることにした。電気代やガス代も上がり、年金暮らしの身にはこたえる。
レギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は、新型コロナウイルスの感染が広がった2020年5月にいったん1リットルあたり120円台半ばまで下がったものの、国内外の経済活動が再開されると上昇に転じた。
足元ではウクライナ情勢の緊張が高まり、原油相場がさらに上昇。ガソリン価格は今年1月24日には08年9月以来、13年4カ月ぶりに170円を突破した。08年8月の史上最高値185.1円も間近の水準だ。
「急激な値上がりを抑制することが可能になる」
萩生田光一経済産業相は1月25日の記者会見でこう述べ、同27日に初めて発動したガソリン代の値上がりを抑えるための対策を説明した。
石油元売り会社に補助金を配り、給油所への卸値を抑えてもらい、店頭での販売価格の上昇に歯止めをかける狙いだ。
補助金の額は、対策を発動する基準である1リットルあたり170円を超えた分と、直近の原油相場の上昇を反映した分とを足し合わせたもの。初回分(1月27日~2月2日)は1リットルあたり3.4円、2週目(2月3~9日)は3.7円を配り、それぞれ2.5円分値を下げる効果があったと強調した。