著述家 本間龍さん(59、左):1962年生まれ。元博報堂社員。広告とメディアの癒着や原発問題などを追及。著書に『東京五輪の大罪』など/一橋大学大学院教授 坂上康博さん(63):1959年生まれ。専門はスポーツ史とスポーツ社会学。共編著に『東京オリンピック1964の遺産』など
著述家 本間龍さん(59、左):1962年生まれ。元博報堂社員。広告とメディアの癒着や原発問題などを追及。著書に『東京五輪の大罪』など/一橋大学大学院教授 坂上康博さん(63):1959年生まれ。専門はスポーツ史とスポーツ社会学。共編著に『東京オリンピック1964の遺産』など

本間:でも、そうは言いながら、IOCは「今年中には札幌に決めちゃおうか」なんて言っている。僕は、そういう提言もお飾りで、一生懸命やっているふりをしてスポンサーを集める、本当にそれだけの組織だと思っています。招致側に莫大(ばくだい)な借金を生むイベントだとわかっているのにIOCにすり寄る連中を、これから駆逐しなきゃいけないと思っています。

坂上:本間さんは著書のなかで、東京五輪は「電通の、電通による、電通のための」ものだったと指摘されてますね。2024年までの、日中韓以外のアジア22カ国・地域の五輪放映権の販売を握っているのも電通です。

本間:IOCとのパイプが非常に強い。日本で開催すればもっともうかります。先日、電通が昨年度の売り上げを発表しましたが、01年の上場以来、最高利益。うち半分くらいが昨年7~9月期。五輪の恩恵です。

坂上:五輪をめぐる現実はひどすぎる。でも、私は変わりうる可能性にまだ賭けたい。平和構築のための運動を真っ当にやれと。希望を残した言葉で終わるとすれば、それに尽きます。(構成/編集部・小長光哲郎)

AERA 2022年2月28日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?