本間:でも、そうは言いながら、IOCは「今年中には札幌に決めちゃおうか」なんて言っている。僕は、そういう提言もお飾りで、一生懸命やっているふりをしてスポンサーを集める、本当にそれだけの組織だと思っています。招致側に莫大(ばくだい)な借金を生むイベントだとわかっているのにIOCにすり寄る連中を、これから駆逐しなきゃいけないと思っています。
坂上:本間さんは著書のなかで、東京五輪は「電通の、電通による、電通のための」ものだったと指摘されてますね。2024年までの、日中韓以外のアジア22カ国・地域の五輪放映権の販売を握っているのも電通です。
本間:IOCとのパイプが非常に強い。日本で開催すればもっともうかります。先日、電通が昨年度の売り上げを発表しましたが、01年の上場以来、最高利益。うち半分くらいが昨年7~9月期。五輪の恩恵です。
坂上:五輪をめぐる現実はひどすぎる。でも、私は変わりうる可能性にまだ賭けたい。平和構築のための運動を真っ当にやれと。希望を残した言葉で終わるとすれば、それに尽きます。(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年2月28日号より抜粋