2010年バンクーバー五輪フィギュアスケート男子代表の織田信成さんも自身のインスタグラムで、行列に4時間半も並んでビンドゥンドゥンを手に入れた様子を投稿。ゆづドゥンドゥンになぞらえ、コメント末尾を「オドゥンドゥンより」と結んでいた。
そしてビンドゥンドゥン愛を持つ人物として忘れてはならないのが、ブームの火付け役でもある日本テレビの辻岡義堂アナウンサーの存在だ。同局の番組内で、ビンドゥンドゥンへの愛を熱心に語っている動画が中国国内のSNSで拡散。各SNSでの総再生回数を合算すると、4億回を超えたという報道もある。
露出機会に恵まれたビンドゥンドゥン。一方、東京五輪のミライトワは五輪の開会式・閉会式にすら顔を出さず、出番がないことが話題に。初の大舞台は最後の最後、パラリンピックの閉会式だった。そしてビンドゥンドゥンと比べても、選手との絡みは見られなかった。
「正直言って、ミライトワ君は名前も覚えていなかったぐらいでした。テレビの中継でも見た記憶がありません。東京五輪の時は、開会式の中身ですらギリギリまでやっていたはずでしょうから、ミライトワをどう使うかというビジョンがなかったんじゃないかなと思います。また、キャラクターはおめでたい状況を祝う『祝祭性』の要素を持っていますが、東京大会ではコロナの問題があり、なおかつデザインや演出の面でさまざまな批判がありましたから、キャラを使いづらかったのではないでしょうか」(同)
認知度の低さに比例し、開催当初はキャラクターグッズの売れ行きも芳しくはなかった。長島教授は人々がキャラクターグッズを購買する動機の一つとして、他人の目を意識した「顕示」の要素を挙げ、ミライトワグッズの売れゆきが鈍った要因についてこう話す。
「キャラクターグッズにはコレクションする喜びもありますが、買う際には、そのキャラクターを持つことで他人が自分のことをどう思うのかということをどうしても意識します」