北京五輪の様々な場面で話題をさらったパンダのマスコットキャラ「ビンドゥンドゥン」。グッズ売場では長蛇の列ができ、「1人1個まで」の購入制限がなされるほどの人気ぶり。閉幕した今も、フリマアプリなどではグッズが高額で転売されるなど異例の現象が起きている。
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昨夏の東京五輪を振り返ってみると、公式キャラの「ミライトワ」は知名度や人気の面ではパッとしなかった。グッズも大量に売れ残り、昨年11月には公式によって最大8割引きの叩き売りがされるなど、在庫一掃に腐心する様子がうかがえた。
北京のビンドゥンドゥンと東京のミライトワ、両者の明暗を分けた要素は何だったのか。マーケティングの専門家に話を聞いた。
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ビンドゥンドゥンは、パンダをモチーフに、氷でできた宇宙服とゴーグルを着用するキャラクター。まん丸なフォルムで、どこかゆるキャラ的な雰囲気をもつ。
大会期間中に人気に火がつき、中国国内のグッズショップではビンドゥンドゥン関連の商品を買い求める人が殺到。ビンドゥンドゥンが登場するアニメ映画も公開され、公開5日間で延べ100万人が鑑賞したという。
一部の豪州メディアからは、(運営側によって)SNSの偽アカウントを多数利用することで人気が演出されていたのではないかという指摘もあるが、“演出”があったとしても、もはや演出の域を超えた人気に発展していることは確かだ。
一方、東京五輪のマスコットキャラ・ミライトワは、「未来」と「永遠(とわ)」という意味が込められた名前の通り、近未来と伝統が融合されたキャラクター。桜をモチーフにしたパラリンピックのマスコット「ソメイティ」とともに、額には東京2020のエンブレム、体には伝統的な市松模様があしらわれている。
ミライトワはどんな場所にも瞬間移動できる能力を持ち、ソメイティは超能力を使って石や風と話すことができるという。だが、このような設定は残念ながら浸透せず、そもそも名前すら知らないという人も多かったのではないか。米紙「ニューヨークタイムズ」も、ミライトワとソメイティについて「ほぼ地味な存在になっている」と酷評していた。
なぜ、人気にここまで差がついたのか。