遠藤選対委員長
遠藤選対委員長

 自民党の遠藤選対委員長はこうした声を抑えるため、神戸市に自民党兵庫県連を1月19日に訪ね、藤田孝夫幹事長と会談をもった。

 遠藤選対委員長の「公明との相互推薦を」との呼びかけに兵庫県連が「不本意ながら」と了承したと一部メディアで報じられ、今回の騒動になったが、真相はどうなのか?藤田幹事長を直撃した。

「前回の参院選では、相互推薦が影響して、自民党の加田氏が危うい戦いになったことは兵庫県連の共通認識です。そこで、遠藤氏が地元の意見、思いを聞かせてほしいとお越しになった。自民党の選対委員長というのはフットワークが軽いので、珍しいことではない。そこで、こちらも思いを遠藤氏にぶつけました。正確には記憶していないが、けっこう長い時間、話し合いました。最終的に、党本部の決定に従うという趣旨の話にはなりました。『不本意ながら同意した』という内容の報道があり、内紛でもあるのかと受け取られた方もいたようですが、そうではない。不本意という言葉は、私か遠藤氏か、どちらが言ったのかはっきり覚えはない。ただ、党本部の決定には従いますが、自民党と公明党の間で課題があることも忘れないでほしい、という主旨は伝えました」

 遠藤氏と藤田氏の会談後、兵庫県選出の国会議員の会合でも「党本部の決定に従う」との方向性が確認されたという。

 しかし、一枚岩ではない。昨年夏の兵庫県知事選挙では地元の自民党県議の大半が副知事だった金沢和夫氏を支援で一本化したが、一部の県議と兵庫県選出の国会議員がそれをひっくり返して、日本維新の会が推薦した齋藤元彦知事の支援を打ち出し、保守分裂選挙となった。前述の兵庫県議はこう不満そうに話す。

「地元の意向を国会議員が上から目線でひっくり返した遺恨が今もある。遠藤氏が頭を下げたからと言って、はいそうですかとはならない」

 19年の参院選、大阪選挙区(定数4)でも公明党の杉久武氏は3位で当選し、自民党の太田房江氏は最後の議席だった。大阪府議はこう相互推薦を疑問視する。

「公明党は自民党の支援者の挨拶に同行させろ、名簿を出してと要求ばかりだ。本当に、自民党に票が来ているのか疑問に思うことがよくある」

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