2021年度医学部入試で合格率が初めて男女逆転したが、医師全体では女性は約5人に1人しかいない。職場環境など課題点は少なくない。AERA 2022年3月7日号の記事を紹介する。
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医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師はこう指摘する。
「今の医師養成の制度は、妊娠、出産をする女性のことをあまり考えていない。医学部卒業後2年間、初期研修でさまざまな診療科を見て26歳。それから3~5年、専門医研修をして31、32歳と、研修期間が長すぎる。しかも専門医研修はたいてい1年ごとの契約更新で、身分が不安定。その時期に妊娠、出産を考える女性に不利です」
職場環境にも課題がある。全国保険医団体連合会(保団連)女性部は、合格率の男女逆転が明らかになった後、こんなコメントを出した。
「入試差別問題が発覚した際、『女性医師が増えると(産休・育休・時短勤務が増えて)現場が回らない』という声がありました。背景には、過労死ラインを超えるような医師の過酷な働き方があります」