人は一人でも生きていけるかもしれない。でも「一人ぼっち」で生きていくことはできない(撮影/写真部・高野楓菜)
人は一人でも生きていけるかもしれない。でも「一人ぼっち」で生きていくことはできない(撮影/写真部・高野楓菜)
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 年代や性別で孤独の感じ方や捉え方はさまざまだが、働き盛りの中高年男性の孤独感が強まっている。一方、この世代特有の考え方として「孤独の美学」を持つ人も多い。なぜなのか。AERA 2022年3月7日号の「孤独」特集の記事を紹介する。

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 東京都健康長寿医療センター研究所の世代別「孤独感」と「社会的孤立状況」に関する調査(15~79歳の男女約3万人に2020年8~9月、21年9~10月の2回)で目立つのは、働き盛りの40、50代の孤独感が20年から21年で大きく悪化していることだ。行動規制は徐々に緩和され、多少は出社や食事をできるようになり「社会的孤立」の数値は改善している。なぜ、孤独感は増したのか。

「中間管理職や管理職で、プロジェクトを仕切る人も多いこの年代は、オンラインやSNSを使って自分の気持ちを表出するのが不得手です。オンライン会議だと部下の近況を聞いたりなどの雑談も難しくなり、なかなかうまく繋がれない。どこか自分だけ取り残された感を持ってしまう面もあるでしょう」(同研究所研究副部長の村山洋史さん)

 明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖さんは、背景の一つに、男性と女性の「ある違い」を指摘する。

「そもそも自殺率も40~60代の男性が最も高く、同世代の女性の約2倍。男性は『目的的コミュニケーション』と言って何か目的があって人と会ったり話したりが多いのに対し、女性は目的なしにただお茶をしておしゃべりしたり、人と感情を共有することに価値を置く。そこで女性の方が孤独感を緩和できている面があると思います」

「個独」と「孤毒」

 高まる中高年男性の孤独感。一方でこの世代には、「孤独というのは素晴らしいものだ」という考えに引かれる人も多い。

 コミュニケーション・ストラテジストの岡本純子さんは、18年に孤独問題に関する著書を出した際、中高年男性からの「孤独の何が悪い」「余計なお世話だ」という反発に驚いたという。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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