つくづく思ったのは、「スマート社会」ってやつは先方の想定通りの流れに乗ってる分にはスマートでも、何かの理由でそこを外れると、とんでもなくスマートじゃない道なき道を髪振り乱して進むことを強要されるということだ。それに耐えられない人間は社会から振り落とされる。つまりは何か大きなもの(それが何なのかがまた不明)の都合に合わせないと生きていけないっつうこと? スマートシティーとか怖いよまじで。
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
※AERA 2022年3月7日号