一方、与党「共に民主党」・李在明候補の妻・金恵景さんもすねに傷持つ身であった。
金恵景さんは夫・李候補が京畿道知事だった当時、道庁秘書室の男性職員が金恵景さんの私的な雑用をさせられたと韓国公共放送「KBS」が報道。
この報道によると、男性職員は上司から「肉屋で牛肉4パック(約1万2000円分)を注文した。値札を外してラップをかけて、アイスボックスに入れて」と指示され、李夫妻の自宅に届けたという。このやりとりは、1度や2度ではなく2021年11月まで9カ月間に及んだと通信記録と共に報じられた。
李夫妻の自宅に届けられたのは牛肉4パック以外にも寿司、鶏の水炊き、中華料理、フグ料理、ベトナム料理などなど……届けただけならただのお手伝いだが、その支払いにカラクリが! 男性職員は支払いの際、まず本人名義のクレジットカードで決済し、その後、道庁の法人カードで再び決済し直したという。私的なお買い物を法人カードで支払いとはなんともセコイ話しだが、こうした決済が10回以上もあったと報じられた。
この件に関して、1カ月前の2月9日に金恵景さんが謝罪会見を開き、声を震わせながら、
「公と私の区別を明確にしなければならなかったが、私がとても未熟だった。私の未熟さにより起きたことに対して、国民の皆さまに改めておわび申し上げる」
と、頭を下げた。このような合戦が繰り広げられたが、いよいよ投開票日の9日、その結果が明らかになる。
「法人カードでの不正儀典報道以降、李候補が妻を伴って遊説することはなくなりました。公金の私的流用ですから、尹候補の妻・金建希さんのホステス報道や経歴詐称よりも事は重大。“ホステスだった”という報道があった時に、韓国の周囲の人に“何が問題なのか?”と聞いてみたところ、“日本には天皇陛下という道徳的な人がいるから、日本の首相夫人候補だったら、夫の選挙にそれほど関係ないのかもしれないけど、韓国には王室や皇室がないから大統領に道徳性が求められるからだ”と話していました」(菅野さん)
好感を持てる候補者がいないという意味から「非好感度を争う選挙」とも言われ、さらには金建希VS.金恵景という「配偶者リスク」が目立った今回の大統領選挙。未来の大統領夫人の行く末はいかに……。(AERAdot.編集部太田裕子)