(左から)有田正行さんと有田千穂さん(写真:MIKIKO)
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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年8月8号では、介護福祉士でボッチャ(BC3クラス)ランプオペレーターの有田千穂さん、電通デジタル勤務でボッチャ(BC3クラス)パラアスリートの有田正行さん夫婦について取り上げました。

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夫34歳、妻31歳のときに結婚。

【出会いは?】夫が代表を務める電動車椅子サッカーチームに、妻がボランティアスタッフとして参加。
【結婚までの道のりは?】5年の交際を経て、交際記念日の6月25日に結婚。
【家事や家計の分担は?】ゴミ出し、片付けなどは基本夫が、料理や洗濯は妻が担当。家計は別々。家賃、光熱費は夫、日々の生活費は妻が負担。

妻 有田千穂[39]訪問介護すこやか 介護福祉士 ボッチャ(BC3クラス)ランプオペレーター

ありた・ちほ◆1982年、兵庫県生まれ。大学卒業後、知的障害者の作業所に就職。聴覚障害者の手話通訳の仕事を兼務。現在は、介護福祉士の仕事のみに従事。ボッチャでは、夫をサポートするランプオペレーター選手として活動

 夫が電動車椅子サッカー選手から、ボッチャ選手に転向したのが2017年。それまで、コートでプレーをするのは夫だけでしたが、ボッチャでは私もコートに入って戦うことになり、「巻き込まれた」感がありました(笑)。

 ボッチャは自主的に始めたわけではなかったので、最初の数年は、夫を追いかける感じでしんどかったですね。サポートしたい気持ちはあるものの、自分も一選手としてコートで戦うことに、感情が追いつかず……。

 そんな中、夫がよく口にしていたのは「(私が)本気になると僕たちは強いよ」。その言葉の意味がわかったのが、今年の日本選手権BC3で初優勝した時でした。

 今では、夫が「なぁ」と呼びかける時、語尾が上がる場合は何かひらめいたことがあり、語尾が下がる場合は「あの練習のあの場面で悩んでいたことだろう」というところまでわかります。

 今では私もアスリートとして夫と一緒に世界で戦う夢を持ちたいと思っています。

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