※写真はイメージです(GettyImages)
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 国土交通省は7月22日、2021年度の都市鉄道の混雑率調査結果を公表した。混雑率上位の路線の顔ぶれがほとんど変わらない中、東急田園都市線、目黒線など、東急沿線の混雑率は大きく減少した。その理由と、そこから見えるアフターコロナの鉄道利用のあり方とは。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

東急田園都市線や目黒線など
東急沿線の混雑率が激減

 国土交通省は7月22日、2021年度の都市鉄道の混雑率調査結果を公表した。東京圏のピーク1時間平均混雑率は昨年度から1ポイント上昇の108%、大阪圏は1ポイント増の104%、名古屋圏は6ポイント増の110%だった。コロナ以前、2019年度の調査では東京圏が163%、大阪圏が126%、名古屋圏が132%だったので、いずれも大幅に減少しているが、特に東京圏の減少が目立つ。

 調査は利用者数の変動が比較的少ない9月から11月の間に行われる。期間中のいつ調査を行うか、どのように測定するかは各事業者に委ねられており、具体的には自動改札機の通過データを基に利用者数を推定する手法、電車の空気ばねにかかる荷重から列車ごとの乗車率を算出する手法、目視で乗車率を測定する手法などが用いられる。つまり同じ路線の増減は比較可能だが、事業者間を比較する際は慎重を要する数値だ。

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「東西線」と明暗を分けた理由とは?