作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。
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酷暑の上に、第7波。我々は本当によく頑張っています。
世間で「リラックス」と呼ばれる状態が、自然に訪れることを期待するのが難しくなっています。コロナ禍では出勤がストレスになるし、リモートワークも閉塞感が否めません。万全の態勢で旅行に出掛ければ多少は気がまぎれるかもしれませんが、従事する仕事内容や基礎疾患によっては、それも難しい。
以前の生活でも、それなりにストレスはありました。現代社会と名のつく場所には必ずストレスが付随するもの。しかし、社会全体がこれほどのストレスに苛まれていることが、常に可視化された状態で長く続くのも珍しい。
世の中まるっと、交感神経が優位な状態がずっと続いているとも言えます。いまこそ、副交感神経にスイッチする時間が必要です。なんとか乗り越えようと踏ん張っても、神経が高ぶってばかりでは、いつか倒れてしまいますから。
なーんて物知り顔に言いましたが、私にとって副交感神経への切り替えは、言うは易く行うは難しのひとつ。試行錯誤の末、今年の私が試しているリラックス法を、いくつかご紹介させてください。
まずは、服の上から使える冷却スプレー。ドラッグストアで購入可。熱中症予防や解消にはならないのでご注意ください。とにかく暑くてどうにかなりそうな時、景気よくシュパーッと吹きかけると、あっという間に涼感ゲット。
次に、ハワイかバリ島の音楽ばかり流すプレイリスト。サブスク音楽サービスで検索するとわんさか出てくるのでお好みで。去年はハワイのプレイリストで乗り切り、今年はバリ島にも手を出しました。
風呂。あら塩と日本酒をたっぷり入れるか、高めのバスソルトを入れる。防水スピーカー(手軽な値段で買えます)を持ち込み、先述のプレイリストを流しながら目を閉じれば、そこはもう南国。
かき氷。今年は例年になく食べてます。胃腸を冷やすから本当はよろしくないのだろうけれど、やってられんわ。食べたら気休めに白湯を。
手のひらサイズの小型筋膜リリースガンもオススメ。首すじはもちろん、咬筋が意外と凝ってます。デコルテやわきの下もこれで優しく流してあげて! マスクと暑さのせいで呼吸が浅くなっているので、ほぐしたあとは深呼吸。
その場しのぎながら、私には今のところ有効です。さあ、なんとか乗り切ろう。
○じぇーん・すー/1973年、東京生まれ。日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。著書多数。『揉まれて、ゆるんで、癒されて 今夜もカネで解決だ』(朝日文庫)が発売中。
※AERA 2022年8月8日号