イヤーエステ店「ボニータボニート東京」では、細い綿棒で掃除される耳の内部を利用者がモニターで見ることができる(撮影/写真部・張溢文)
イヤーエステ店「ボニータボニート東京」では、細い綿棒で掃除される耳の内部を利用者がモニターで見ることができる(撮影/写真部・張溢文)
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 コロナ禍でイヤホンを使う機会が増え、耳垢が気になる人が少なくない。昨今では耳掃除のサービスを行うイヤーエステに注目が集まっているという。AERA 2022年3月14日号の記事を紹介する。

【写真】耳掃除の前に、竹製の耳かきで耳ツボを押される記者

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「(在宅勤務で)ウェブ会議をするし、サブスクリプション(定額)でドラマを見るので、ずっとイヤホンを付けています」

 そう話す東京都内の会社員男性(29)は、耳から外したイヤホンを見てイヤーパッドに付いた耳垢(あか)が気になった。

「イヤホンを外すと、圧迫から耳が解放された気になります。耳を酷使して、耳が疲れているのかもしれません。最近、耳垢が増えた気がするので、在宅勤務の息抜きに、綿棒で耳掃除しています。ただ、綿棒の先に血がにじむので掃除しすぎでしょうか」

 耳垢を取るサービスを提供する店舗もある。耳のためのエステサロンで施術を受けた奈良県の会社員・山田ヨウさん(30)はこう話す。

「サロンのYouTube動画を見て知りました。エステティシャンがお客さんの耳にスコープ(カメラ)を入れて、耳の中を見るんです。いつも自分で耳掃除しているので、耳の状況をカメラで確認できてよかった。耳掃除の音は、まったく気にならなかったです」

「一気にかき出すのではなくて、オイルが塗られた綿棒を細かく動かされるのがなんとも気持ちよかったです。耳垢を取った後、音楽を再生したら、歌手の息遣いまで聞こえるようになりました」

 記者も東京・恵比寿にあるイヤーエステサロン「ボニータボニート東京」を訪ねてみた。和歌山市の本店は創業15年、イヤーエステの老舗だ。

耳掃除の前に、竹製の耳かきで耳ツボを押される記者。心地よかった(撮影/写真部・張溢文)
耳掃除の前に、竹製の耳かきで耳ツボを押される記者。心地よかった(撮影/写真部・張溢文)

■イヤーエステを体験

 個室の薄暗い部屋に間接照明がともる。リクライニングチェアに座ると、前の壁ぎわに置かれたモニターが目に入った。

 代表の中本多紀さんが「見てみますね」と記者の右耳にスコープを入れる。穴に入ってすぐのところの耳の壁にへばりついた耳垢が、モニターに映っているのが見えた。

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