そう複雑な心境を吐露する青木だが「何としても死守したい」との言葉が物語るとおり、若手にやすやすとポジションを明け渡すつもりはない。青木は前述の2005年以降、頭部死球の影響などで93試合の出場に終わったサンフランシスコ・ジャイアンツ時代の2015年を除き、常に100試合以上に出場。石川は2002年のプロ入りから2019年まで、実に18年連続で20試合登板をクリアしている。どちらも「無事之名馬」であり、それゆえにこれまで他の選手に付け入るスキを与えなかったと言える。
もちろんチームの中心は、投では2年連続6回目の開幕投手を務める小川泰弘であり前出の奥川、打では山田哲人と村上宗隆の三・四番コンビだ。それでもNPB通算では現役最多177勝の石川も、日米通算で現役最多2593安打の青木も、単に“精神的支柱”というだけでなくまだまだ大事な戦力である。
40代の大ベテランも若き主砲も20歳のエース候補も、それこそ日本人選手も外国人選手も、高津監督の下で一丸となって連覇に挑む。逆風に見舞われながらも、2022年の燕軍の戦いが間もなく幕を開ける──。(文・菊田康彦)
●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。
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