石川はヤクルト一筋20年目、青木は日米18年目にしてたどり着いた“頂点”。これ以上ない経験をしてもなお、2人がモチベーションを失うことはない。今年の自主トレ期間中「去年、日本一になってなんとなく気持ちが落ち着いちゃうかなと思ってたんですけど、やっぱりこの時期になるとソワソワするし(例年と)同じような気持ちで今年も迎えられそうです」と語り、「今シーズンもまずリーグ優勝すること。そこを目指して頑張っていきたいと思います。個人的には勝負どころで打ったり、流れをウチに引き寄せられるような、そんなプレーが多くあるといいですけどね。守備に関しても、走塁に関しても」と意気込みを口にしていたのは青木である。

「僕たちは最下位から日本一になりましたけども、逆(日本一から最下位)もあり得ることだと思うので、もう一度足元を見つめてじゃないですけど、しっかりとした戦いをしないと。そういう意味ではチーム内、みんな危機感を持ってやっている。やっぱり1試合1試合の積み重ねが昨年のセ・リーグ優勝、日本一なので、また1試合1試合チームでなんとか良い試合、勝ちを拾える試合をやっていくしかないです」と、石川も連覇への挑戦を見据えている。

 石川は2年ぶりの開幕ローテーション入りが決定しており、オープン戦ではなかなか当たりの出ていない青木も、開幕スタメンはほぼ確実。とはいえ2人とも、その座がいつまでも安泰というわけではない。どれだけ実績のある選手であろうとも、年齢が上になればなるほど、結果が伴わなければ若手に取って代わられる可能性が高くなるからだ。

「若手が出てきてくれたら、それはヤクルトにとってはすごくいいことだと思うから、1人でも多くっていう気持ちは僕もあります。とは言いつつも、やっぱりプレーをしたい、たくさん試合に出てチームに貢献したいという気持ちは強いんで、そこはやっぱり何としても死守したいというか、そういう気持ちはありますけど。ちょっと矛盾してるかもしれないけど、なんか“はざま”でやってる感じです」

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