シニアだけでなく、ストレスを抱える人のケアにも有効だ。
がん患者やICUの入院患者の場合、不安や不眠が改善して鎮静剤の量が減った、呼吸や脈拍が安定した、という報告がある。近年は、企業による社員のメンタルヘルス対策や、不登校の子のサポートに使われるケースも出てきたという。
鈴木教授は「手を触られているときは、お互い向き合ってアイコンタクトがとれる体勢になる。足や背中を触られるよりも『あなたが大切』というメッセージをダイレクトに受け取れる」と話す。
冒頭の山本さんが施術時につけるピンクのエプロンには、「Heart Care」とプリントされている。他者との接触が激減した今、身近な人の手と心をほぐすひとときを設けてみては?(本誌・大谷百合絵)

※週刊朝日 2022年3月25日号

