広島・佐々岡真司監督(左)とロッテ・井口資仁監督(写真提供・広島東洋カープ/千葉ロッテマリーンズ)
広島・佐々岡真司監督(左)とロッテ・井口資仁監督(写真提供・広島東洋カープ/千葉ロッテマリーンズ)
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 今日25日に開幕するプロ野球。両リーグとも昨年同様の混戦が予想されているが、広島・佐々岡真司、ロッテ・井口資仁の両監督にとっては勝負の年が始まる。結果次第では「今季限りで……」となってもおかしくない重要なシーズンだ。

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 佐々岡監督が指揮する広島はオープン戦16試合で43得点と攻撃力不足を露呈した。オープン戦ではあるがMLBのカブスに移籍した主砲・鈴木誠也の抜けた穴も気になるところではある。シーズン前の優勝予想でも上位に挙げる解説者は決して多くはないが、現在のチーム状況はそこまで悲観するようなものではない。

「攻撃は少ないチャンスを生かして得点を奪い、投手力を中心に守り切る野球を目指している。野手はプロ4年目の小園海斗が中軸を任せられるまでに成長し、昨季打率.315をマークした6年目の坂倉将吾も健在。投手陣は球界トップクラスの顔ぶれが揃っているのでプラン通りの野球はできそうです」(広島担当記者)

 先述の通り、前評判は高くはないが“戦えるチーム”にはなっている。投手では昨シーズンにFA権を取得していた大瀬良大地、九里亜蓮は揃って残留。他にもエース格の森下暢仁、左腕の床田寛樹、玉村昇悟ら先発陣は伸びしろも含め期待できる。ブルペンも抑えには昨季新人ながら37セーブ、防御率0.86をマークした栗林良吏がおり、そこに繋ぐリリーフピッチャーを整備できれば、白星も自然と増えてくるだろう。

 野手も小園、坂倉はもちろん、実績のある菊池涼介、西川龍馬、会沢翼にベテランの松山竜平もオープン戦では順調な仕上がりを見せた。若手も本格的なブレイクが期待される4年目の林晃汰、ともにルーキーの末包昇大、中村健人が鈴木誠也の穴を埋めるべく控えている。

「勝つことができれば最高だが、戦えるチームを作ったという意味では既に佐々岡監督は手腕を発揮している。3連覇後の19年から3年連続Bクラスだったがここへきて戦力が整いつつある。佐々岡監督は火中の栗を拾う形で監督に就任してチームの再建に尽力。FA選手に対しては自ら出馬して話し合いを持ち、残留させている。GMなど編成面の資質に優れているともっぱらの評判です」(在京球団編成担当)

 広島は過去に江藤智、金本知憲、新井貴浩など主力選手が毎年のように他球団へ流出する時期が続いた。しかし19年オフには会沢、田中広輔、昨オフは大瀬良、久里と近年はFA権を取得した選手が残留している。佐々岡監督の存在が各選手の決断に少なからず影響を及ぼしたのは間違いない。GM職など「編成部への転身があるのでは」とも噂されている。

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ロッテの井口監督も“勝負の年”