西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、エンゼルスの大谷翔平選手の今シーズンの活躍に期待する。
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海の向こうの大リーグもようやく大リーグ機構と選手会の労使交渉が決着し、4月7日(日本時間4月8日)に開幕することが決まった。昨年12月2日にロックアウト突入後、100日近い月日が経過した。何年かに一度、労使交渉はもめるが、開幕再延期、162試合の試合数削減といったことが避けられたことは、ファンにとって喜ばしいかぎりだ。
昨年、9勝を挙げ、本塁打王争いをする中で46本塁打し、リーグMVPを獲得した大谷翔平。開幕戦は本拠エンゼルスタジアムでアストロズが相手で、開幕投手を務めた上で二刀流としてスタートを切るかどうかも楽しみだ。従来どおり162試合を戦える上、今季はナ・リーグもDH制を導入することが決まったことは大きい。昨年はナ・リーグの試合の時は代打待機が主だったから。昨季はナ球団主催の交流戦10試合中8試合に出場したが、代打中心で計11打席だった。DHで4打席に立てれば、単純計算で30打席くらいは増えるだろう。それだけタイトル奪取への夢は広がる。
昨季は主砲トラウトが故障、終盤は大谷が徹底マークされた。トラウトが本来の力を発揮してくれれば、注意力は分散される。あとは、昨年の激闘の疲れはしっかりと抜けているか。もはや大谷がチームにアピールする必要はない。オープン戦登板は数試合。そして4月いっぱいまで、段階を踏んで強度を上げていってほしい。1年間を考えた上で、力の使い方をマネジメントしていってもらいたい。プレーオフに進出する球団が、10から12に増えたこともあるしね。
広島からポスティングシステムでメジャー移籍を目指す鈴木誠也の移籍先も間もなく決まる。日本では数少ない右の大砲として活躍したが、メジャーではどうだろうか。大谷の活躍で、日本選手はパワーという点でも見直されたといっていい。メジャー球を飛ばすだけの技術も含めた部分を各球団も評価しているだろう。