不登校Youtuber・ゆたぼん(SNSより)
不登校Youtuber・ゆたぼん(SNSより)

 小学校に続き、中学校も通わないことを宣言した不登校YouTuber・ゆたぼんが自身のYouTubeを開設してから、3月26日に5周年を迎えた。

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 開設した時は8歳。少年革命家と名乗るゆたぼんは「不登校の自由」を主張し続け、独自の世界を歩んでいる。小学校の卒業証書を破った動画を公開して波紋を呼んだことも。中学校でも引き続き、不登校を貫いている。

 ゆたぼんはYouTube5周年を記念した動画で視聴者への感謝を口にし、「5年前はチャンネル登録者数0人やったのが、挑戦し続けてYouTubeに動画をアップし続けて今15万人以上チャンネル登録者数がいて銀の盾(YouTubeから登録者10万人達成した際に送られる記念品)も持っているという感じです。ホンマに色んなYouTuberや格闘家の人ともコラボさせてもらったし、学校ではできない経験がいっぱいできた」と充実した生活を送っていることを強調した。

だが、この動画のコメント欄で「(ゆたぼんの行動は)学校に行きながらでもできる」と書き込まれたメッセージに言及した動画を翌日に配信した。格闘家の朝倉未来、Repezen FoxxのDJ社長、スカイピースなどチャンネル登録者数が100万人を超えるYouTuberとコラボしたことや、30万円以上の企業案件を受注した実績、自身の誕生会に100人以上の人が集まったこと、日本一周して不登校児たちに元気と勇気を与える「ゆたぼんスタディ号プロジェクト」のクラウドファンディングで487万円が集まったことなどを列挙。「『学校に行きながらでもできるやろ』って言っている奴は13歳の時にこれができたか?できてへんやんけ!まず結果出してから言えや!おれと同じことしてから言えや!口だけやったら誰でも言えんねん」と語気を強めた。動画の最後には「学校に行きたい子は言ったらいいし、行きたくない子はいかんでいいと思う。でも学校行ってもしょーもないアンチコメントしか書けない大人になったら終わりやから、みんなもそんな人間にならんように気を付けてな」と呼びかけた。 

 千葉県内の小学校に勤務する30代の男性教諭は「ゆたぼんの生き方を否定するつもりはないし、彼の人生なので自由に生きれば良いと思う。ただ、自分への批判コメントをすべてアンチと一括りにするのはちょっと違うかなと。有名YouTuberとコラボしている体験を話していますが、同時に学校で体験できる貴重な経験を損失しているのでは。もちろん、ネット上で人格を否定したり誹謗中傷のコメントは許されませんが、もう少し冷静に対応しないと損したように映ってしまう。不登校といっても事情は様々です。学校に通いたくても行けない子供がいるわけですから」と指摘する。

 YouTuberが所属する事務所の関係者は懸念を口にする。

「ゆたぼんは4月から中学2年生です。あと2年で義務教育が終わる。その時に不登校YouTuberの肩書きが通用するかと言ったら疑問符がつく。YouTubeの世界も生存競争が激しくなっている。今後どういうスタイルで動画を配信していくのか。学校に行かない自由を訴え続けるだけでは厳しいと思います」

 YouTubeを開設して5周年。ゆたぼんは5年後、10年後にどのような人生を歩んでいるだろうか。(竹下嘉男)