「帰国後すぐに、英会話教室に申し込みましたね。ただ、アーティストを目指して本格的に音楽活動を始めたのも、まさに同じころ。英語に割ける時間は減ってしまったのですが、今度は英語へのやる気を崩したくなくて、空いた時間に海外の方のインタビュー動画や洋画を見るなど、英語に触れるようにしていました」

 すると、その夢と英語が、思いもよらぬ形でつながりを持つときがくる。2019年にサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」を勝ち抜いてまずは夢をかなえると、デビューを控えた20年1月、ルイ・ヴィトンのイベントに呼ばれ、パフォーマンスするチャンスが来た。

■自分の言葉で発信していきたい

「世界中が注目するイベントに登壇するからには、やっぱり英語であいさつしたいじゃないですか。だから自分で英文を作って、帰国子女のマネージャーに、より伝わりやすい表現に添削してもらいました」

 会場は大いに盛り上がり、スピーチは大成功。ただ、英語での声援には少し戸惑い、「頑張らなきゃ」という原動力になった。JO1としても「グローバルに活躍するには、言葉が大事」と思い、メンバーで英語、韓国語、中国語を分担して勉強。與那城さんはもちろん英語担当だ。

「海外メディアのインタビューにも、自分の言葉で返せるようになりたいし、僕らのパフォーマンスをもっと海外にも伝えていきたい。そしていずれ、ドウェイン・ジョンソンやジェイソン・モモアといった、大好きな俳優さんたちとも共演できる日が来たら最高ですね」

 デビューとともにコロナ禍に突入してしまい、有観客ライブがほとんど実現できていないJO1。来たるべき日に向け、今は準備に余念がない。

與那城 奨
1995年沖縄県生まれ。2019年サバイバルオーディション番組「PRODUCE 101JAPAN」に参加し、20年にグローバルボーイズグループ・JO1のメンバーとしてデビュー。高校時代のアメリカ・モンタナ州での海外研修をきっかけに海外に強い興味を持ち、現在も英語の勉強を続ける。

(文/竹倉玲子)

『AERA English2022』から抜粋

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